2007/10/24

じっとしている彼は同性愛者か?

前の記事で紹介したJohnsonさんたちの研究では、人物のCG画像を被験者さんに見せて、男に見えるか女に見えるかを判断してもらっていました。その結果、ヒップに対するウェストの比率, WHR (Waist to Hip Ratio)によって判断が影響され、WHRが小さく、腰がくびれていると女性に見え、WHRが大きく、ズン胴になると男に見える傾向が高まることがわかりました。

しかし、彼らの研究の主目的は、性別判断ではなく、性的指向性の判断です。
つまり、同性愛者に見えるか、異性愛者に見えるか、の判断ということになります。

人物のCG画像は、実際には動画だったわけですが、性的指向性に関する被験者の判断は、WHRで表される形態的特徴と、動き方の特徴の両方に影響されることがわかりました。
Johnsonさんたちは、「女性に見える」と判断された場合のデータと、「男性に見える」と判断された場合のデータを分けて分析しました。
これは基本的には、WHRが小さいか(≒女性)、大きいか(≒男性)による区分けとなります。

しかし、それは100%確実ではなくて、WHRが小さい画像が男性に見えることもあれば、WHRが大きい画像が女性に見えることもあります。

分析の結果、「女性に見える」と判断された場合には、動きとWHRの両方が性的指向性の判断に関与していることがわかりました。
「女性に見える」人物が、肩をいからせた動きをしていると、同性愛者と判断されやすくなります。
また、「女性に見える」人物が、大きいWHRを持っている(=ズン胴)と、やはり同性愛者と判断されやすくなります。

一方、「男性に見える」人物が、腰をふる動きをしていると、同性愛者と判断されやすくなります。動きの影響「あり」ですね。
しかし、「男性に見える」人物のWHRが大きいか小さいかは、性的指向性の判断には影響していませんでした。

これはどういうことかというと、男性(に見える人物)の性的指向性を判断するときには、体型ではなく、動き(だけ)が重要だと言うことです。

別の研究でもこの実験結果と一貫した結果が得られているとか。
写真を見て、同性愛者か異性愛者かを被験者に当てさせると、女性の場合は当たるけれど、男性の場合はまるで判断できなかったそうです。
写真だと動きの情報がありませんから、性的指向性が判断できなかった、と解釈できますね。


Johnson, K., Gill, S., Reichman, V., & Tassinary, L. (2007). Swagger, sway, and sexuality: Judging sexual orientation from body motion and morphology. Journal of Personality and Social Psychology, 93(3), 321-334.

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とある大学の心理学研究室のすみっこで実験心理学の研究をしている一児の父です。インターネット上で、あまり心理学っぽくない心理実験をやっています。ちょっとした空き時間(数分程度)のあるときに実験に参加していただけると助かります。下のアイコンをクリックすると、実験のページが開きます。

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