2007/12/03

不気味の谷 (2)

不気味の谷の話の続きです。

森政弘先生の仮説を実験的に検証してみよう、という気にはなりましたが、ある程度内容を整理しないと実験実施は無理です。

まず気になったのは、不気味の谷のグラフの形です。
森先生が描いた有名なグラフは、下の図の(A)のように、全体としては右上がりだけれど、右の方に谷がある、という特徴を持っています。
しかし、(B)や(C)のようなものでもいいんじゃないか、と思うのです。
uncanny valley

(A)のグラフでは、あきらかに人工的なものは中性的印象を与え、完全な人間は最もポジティブな印象を与える、ということになっています。
しかし、明らかにロボットってな外観のもので、プリティなものもあるし(スターウォーズのR2D2とか)、不気味なものもある。人工的なところのない、生身の人間であっても、不気味な人もいれば、プリティな人もいる。
ということを考えると、グラフ全体の形状が(谷の部分を除いて)右上がりになる、ということは、実験をやるまでもなく成り立たないのではないかな、と。
いや、右上がりになることもあるかもしれないけれど、必ずしもそうならない、ってのは自明じゃないかと。

とすれば、残った話は「谷ができるかどうか」となります。
そこで、実験的に森先生のグラフを再現したときに、全体として右上がりにならなくても、どっかに谷ができる、ということを確かめる、というのを実験の主な目的として設定することにしました。

もしかすると、こんな風に問題設定を変えてしまうと、森先生の元の仮説の本質を見逃してしまうことになるかもしれません。
しかし、森先生を「不気味の谷」教の教祖と仰いで、その「教義」を正確になぞるようなことに執着してしまうと…あんまり面白くないかなあ、と思うのです。

(3に続く)

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Author:瀬山淳一郎
とある大学の心理学研究室のすみっこで実験心理学の研究をしている一児の父です。インターネット上で、あまり心理学っぽくない心理実験をやっています。ちょっとした空き時間(数分程度)のあるときに実験に参加していただけると助かります。下のアイコンをクリックすると、実験のページが開きます。

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