Web実験の妥当性

私が実施している心理実験はウェブページ上で参加していただくようになっている。だから、いま書きかけの論文原稿の「方法」の部分には、
The experiment was Web based.
などと書いてみた。
多くの実験は、Web basedではなく、実験室に被験者さんをつれてきてデータを採るようになっている。少なくとも、私と同じ研究領域で公刊される論文のほとんどは、そのようなタイプの実験を報告しているし、私自信も今までは実験室で実験をしていた。つーか、Web based実験を報告している論文なんて読んだことないやし。ということは、Web based experimentは少数派なのである。
これは論文を投稿し、審査を受ける段階に、トラブルの元となる可能性がある。論文の査読者(審査者)の多くは、ささいな問題を見つけて論文を却下しようとするから、Web based experimentであるという事実は、格好の攻撃対象となりうる。「ウェブページ上で実施された実験の結果など信用できない。」と言うわけだ。先日受理された不気味の谷についての論文は、投稿先が工学系のジャーナルであったためか、Web based experimentであるという点には、3名の査読者はだれもツッコミを入れてこなかった。しかし今準備中の実験は、心理学系のジャーナルに投稿しようと思っている。
そこで登場するのが、Psychological Experiments on the Internet(Michael H. Birnbaum編)という本である。2000年に出た本であり、ちょっと古いのであるが、Web basedの実験についての展望が述べられており、実験室実験と比較なども論じられている。いつか入手して読みたいと思っていたのだが、私が日頃仕事をしている部屋の書架に並んでいました(^^; 誰が発注したんだろ?で、本日読んだ章では、実験室実験とWeb上実験に違いはない(Web上実験は信頼できる)、と結論づけられていた。
これは使える、というわけで、私の論文中ではこの本を引用することにした。
The experiment was Web based (Birnbaum, 2000).
これでもし査読者がツッコミをいれてきたら、Birnbaum編 (2000) でご指摘のような問題点(データが信頼できない)は無いと述べられていますよ、と反論できるわけだ。
などとやっていたら日が暮れました。
最後になりましたが、実験にご協力くださいますようお願いいたします。10分ほどおつきあいいただけると、心理学がちょっとだけ進歩します。なにより、私がすごく喜びます。
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