錯視量の単位「ミュラー」
当然ながらこの値には個人差があり、de Tarame & Teegee (1967)は、最大で18.3ミュラー、最小で3.8ミュラーという測定結果を報告している(それぞれ別の被験者からのデータ)。錯視量の上限が18.3ミュラーと、標準上限値の9ミュラーに比べて顕著に大きくなったのに対し、下限値は3.8に過ぎず、標準下限値の5ミュラーとほとんど違いがなかった点に留意すべきである。このような上限値ー下限値間の非対称性は、Sheesaa (1988)の奥行き仮説とも矛盾しない(ただし、Ishigantu, 2007は別の解釈を提案している)。
注)ここでいう錯視量単位ミュラー (M)は、Mabuya-Habudeebiru補正を考慮しない状態での基準量を表しており、補正単位M'ではない点に注意すること。
なんていう話はもちろん、「錯視量の単位 ミュラー」というステキな検索キーワードから思いついたデタラメである (Psychological Fictionとも言う)。
レポートに記述する錯視量の単位は、実験演習担当の先生が配布した資料に書いてあるはずで、Yahoo(googleじゃなくYahooが好きな学生さん多いですね)で検索して調べるようなことじゃないと思うのですが…資料に書いてなかった?
もし何か勘違いしている学生さんがいて、必死で検索して錯視量の単位を調べているとしたら、もう一度配付資料を読み返してみましょう。
やっぱり書いてない?
もしかして、錯視量の単位が何になるかは、学生が自ら考えるべし、っていう指導なんですかねえ。
ミュラーリヤー錯視における矢羽根の重要性
矢羽根の重要性は、次のような方法で確認することができる。
まず、ミュラーリヤー錯視図形から、主線の両端の矢羽根を取り除く。
内向図形と外向図形を連結したものは、接次図形などと呼ばれるが、接次図形の場合、全ての矢羽根を取り除く必要がある。
このとき得られる図形は一般に、次のように呼ばれている。
心理学実験演習のレポートを10秒で10行分書き終える方法
序論
方法
被験者
装置
刺激
手続き
結果
考察
文献
という上の10行を書けばよいのだ。10秒もかからないか?
別にふざけているわけではなく、私も自分の論文を書くときに同じ事をしている(英語だけど)。
上に書いた10行は、レポートの中では見出しとなる部分だが、実験論文(レポート)の基本的な構成部品を表している。これらの見出しを書き出すことで、自分がこれからどんな部品を作り出していかなければならないのかを自覚できるはずだ。その後で、それぞれの見出しの下に具体的な作文を展開していくことにすれば、頭の中が整理しやすくなるのではないか(どうだろう?)。実際にはもう一つ、レポートのタイトルという構成部品が必要になることに注意(タイトルに見出しはつけないのが普通だと思うけど(どうだろう?))。
ただし、指導する先生によっては、「装置」と「刺激」をひとまとめにして「装置と刺激」みたいにしなさいと言うかもしれないし、「要因計画」みたいな見出しをつけなさいと言うかもしれない。「方法」の前に「実験」という見出しが要求されるかもしれないし、タイトルに対して「題目」という見出しが要求されるかもしれない。その辺はよそさまの事情なんで私には分かりません。
ちなみに、上の例は実験が一つだけの場合。実験が二つ以上ある場合は下のようになるだろう。
(タイトル)
要約
序論
実験1
方法
被験者
装置
刺激
手続き
結果
考察
実験2
方法
被験者
装置
刺激
手続き
結果
考察
実験3
(以下略)
総合考察
文献
わかった?
2008年度ミュラーリヤー錯視レポートに対するコメント
注)文脈によっては問題点とされないものもあるかも。
・スペースを適切に使うこと。
例(アスタリスクの位置にスペース)
これをMüller-Lyer錯視と呼ぶ(Müller-Lyer,1889)。→これをMüller-Lyer錯視と呼ぶ*(Müller-Lyer,*1889)。
Appelle(1972)において→Appelle*(1972)において。
t(14)=1.64 → t(14)*=*1.64
・統計記号はイタリックにすること。
例)t(14) = 1.64, p = .123 → t(14) = 1.64, p = .123
・(Jastrow(1893))→ (Jastrow, 1893)
・「グラフ」→グラフは「図」として参照すること。
例)「結果をグラフに示した(図3)」→「結果を図3に示した」
・グラフと表を両方呈示することは冗長なので、グラフのみとすること。
・「結果が出た」→「結果が得られた」
・「生じない、という」→「生じないという」
・「錯視と呼ぶ。(Muller-Lyer, 1889)」→「錯視と呼ぶ (Muller-Lyer, 1889)。」
ミュラーリヤー錯視レポート・序論
ミュラーリヤー錯視 グレゴリー 奥行き仮説
といった検索キーワードで調べているような学生さんには、がんばって良いレポートを書いていただきたい(人名はカタカナじゃないほうが、質の高い情報に当たる確率が高まるかもね)。
しかし
ミュラーリヤー錯視 序論
ってどういうことよ?
ミュラーリヤー錯視レポートの序論を書くために何かを調べる、というのはわかるが、「序論そのもの」を検索対象にするというのは…要するに誰かの書いた序論をコピペして使おうということなのであろう。
しかし、インターネット上で拾った序論が次のようなものだったらどうするよ?
錯覚とは、観察対象の物理的次元における測定強度と、観察者の主観的次元における印象強度(心理学的測定法基準値)との間に一定の食い違いが生じる現象を指す。特に、視覚認識論的な意味での錯覚を、錯視(visual hallucination)と呼ぶことが慣例として定められている。この場合、見かけ上の食い違いが観察者によって明確に意識されることが必然的に伴うため、食い違いの量は最低でも検出閾の2倍以上となっていることに注意すべきである(スティーブンスの法則)。
これまでの研究で、数多くの錯視図形が登録されているが、なかでも特に有名なのが、ミュラーリヤー錯視である。ミュラーリヤー錯視は、ミュラーリヤーが医学研究論文のデータをグラフとして作図した際に、縦軸と横軸の長さが異なって感じられることに気づいた、というエピソードから偶然に発見された現象である。日本には明治2年に紹介され、陸軍の新兵採用テストの問題の一つとして、ミュラーリヤー錯視図形が使用されたこともある(但し、この錯視と知能との関連が明確ではないとの理由から、数年後に廃止されている)。
今回のレポートの目的は、ミュラーリヤー錯視の錯視量(単位はadelheid)に、矢羽根の間の角度(単位はラジアン)が与える影響が、スティーブンスの法則(またはother-race effect)に忠実に従うものであるかどうかを、厳密統制主義的な心理実験を通じて検証することである。ミュラーリヤー錯視は、現在においても知覚心理学のみならず、発達心理学や保険心理学の分野からも注目されており、さらには経済学(マクロ経済学)や理論物理学の分野の研究者からの関心も高い重要な現象である(APAの調査によるとIFは20.33, p < 0.5)。このような重要な現象が、先行研究通りに再現されるかどうかを確認することは、学術的にも大きな意義を持つ(ただし、脳機能画像計測の結果はかならずしも明らかではない)。従って、このような重要な現象を実験レポートとして作成することは、教育的効果の観点からも感慨深いものであると言える。
はい、全部でたらめです。
書いた私にも何言ってるのか理解できないし。
似たようなひどい序論を拾ってしまう可能性は低くない。
自分で書きましょうね。
ミュラーリヤー錯視実験に参加しての感想、そこから得られた教訓
さて、
ミュラーリヤー錯視のレポートの最後、考察の部分で、
…このことから、錯視量と矢羽根の角度(鋏角)の間には、一定の関数関係が存在することがわかった。
などと結論をのべ、締めくくりに、
私はもともと臨床心理学に興味があったのだが、このような知覚心理学の研究もなかなかに興味深いものであることがわかった。
と実験に参加しての感想を述べる。
そしてさらに加えて、
このような実験結果から、我々の視覚は簡単に騙されてしまう不正確なものであることがわかった。今後は、見かけの印象をそのまま鵜呑みにすることはせず、錯視(錯覚)の影響で印象が歪められている可能性を念頭に置いた上で、正しい判断ができるように心がけたい。
といった具合に、実験から得られた教訓を述べる。
などという誤った実験レポートを書いてしまっている人は何人くらいいますか?
はい、挙手。
エラーバーって何ですか?
連載じゃないんだから
ミュラーリヤー錯視 先行研究
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